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塗説録

愁いを天上に寄せ、憂いを地下に埋めん。

かつて静坐中に起こったこと
 そういえば、昨日瞑想中にトリップをした体験があるか聞かれて思い出したこと。

 かなり前の話なんだけど、夜中に瞑想していたら、突然ビガビガビガーっと強烈な光とともにブッダが現れ、ふわーっと心地よい気持ちになった。「これは悟ったか」と心の表面に浮かんだのだけど、心の底では「これはなんかヤバい奴だ」という思いがあり、よくよく頭を見れば螺髪ではなく坊主頭で、これはブッダではなく藤子不二雄Aの描いた坊主頭のいじめっ子であった。
 ビガビガとけばけばしい光明とともに顔だけで暴れ狂う藤子不二雄Aのいじめっ子。心に生まれる快楽。私はそれらに惑溺せぬよう格闘し、しばらくして静めた。

 この話を人にすると、まるでオウムのようだと言われた。言われてみればオウムの信者が経験した神秘体験はこのようなものであった気がする。それと覚醒剤のトリップに似ているとも言われた。確かに、そうかもしれない。
 おそらく、あのまま快楽におぼれたり悟ったと舞い上がっていれば、危なかったのではないかと思う。私は謙虚なので、自分が悟ったなどとは早合点せず、ゆえに舞い上がるようなことはなかった。謙遜の心は大事である。

 そもそも、私がしていたのは朱子学の静坐であり仏教は関係ない。静坐に重要なのは居敬である。敬虔であること、これが心の平静をもたらす。悟りや快楽など最初から目的としていないのだ。人生の大病は傲の一字に尽きる。修身は天に対して謙虚でなくてはならぬ。
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