"潜夫論"カテゴリーの記事一覧
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焚巣館 -潜夫論 巻一 讃学第一-
https://wjn782.garyoutensei.com/kanseki/senpuron/01/01_sangaku.html本日の更新。本文は一昨年くらいに訳していたものだったはず……で、付記はほとんど新たに書き起こしたもの。注記も新しいもの。
なんだか付記が批判ばっかりになっちゃっているから読む気を削ぐかなとか思って省くか検討中……。それと翻訳ってそんなに時間かからないんだけど、付記は時間かかっちゃうから更新が滞るのもなんだかなって。次回からなくすかも。
付記に書いていない点として、注記について。
古の聖王との師弟関係について、本書以外に記録のないものが多く、中には本書以外の漢籍での登場が確認できない人物も多い。伊尹とか太公望とか老子みたいな有名どころが並んでいるから他についても「そんなもんなんだなー」と思って流し読みしていたわけだけど、他の漢籍に名前すら登場しない人物が何人も紛れ込んでいるとは……。
この中でも面白かったのは墨如で、漢籍には登場が見られないけど、どうやら孤竹国の始祖とされる墨胎の祖先とする伝説があるらしい。伝説ってもなあ、どこから出てきたものなのやら。
で、なんで他にどこにも載っていないような人物を王符が知っていたのかといえば順番が逆で、彼は2世紀の人なので当時の知られていた伝承なんて書籍としてまったく現存していないのはある意味では当たり前のことである。中国のことは超大昔のことがあまりに当たり前のように記録されているからかえってわからなくなってしまうけども、そんな大昔のことなんて通常はわからなくて当然なのだ。やっぱり中国ってスゴイねってお話でした。
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焚巣館 -潜夫論 後漢書王符伝・後漢三賢王符讃-
https://wjn782.garyoutensei.com/kanseki/senpuron/gokanjo_oufuden.html本日の更新。訳したのは去年の正月とかだったんだけども……。
潜夫論の序文の代替として後漢書の王符伝と後漢三賢讃の王符についての節を掲載する。
私が漢文を訳し始めたきっかけのひとつが潜夫論を読みたかったからだったはずなのだけど、ろくに手がつけられていないし、本文もまだ第二篇まで訳していない。そもそも私は三国史記以外ろくに最後まで訳していないわけだけども。いちおう孝経は全訳してあるんだけど、これも去年の正月に訳したまま更新していない。
とりあえず論語注疏と潜夫論は先に訳を済ませておいた方がいいのだろうけども、訳を再開するために読み直してみるに、どうにも潜夫論には興味を失っていて……。ぶっちゃけ孟子や荀子と比較して単純にイマイチできがよろしくないというか。
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潜夫論
https://wjn782.garyoutensei.com/kanseki/senpuron/main.html
長らく凍結していた潜夫論の翻訳を再開。これまでのものも頭から全部訳しなおした。
私としては、王充、王符、仲長統ら後漢三賢の著作を訳すことで、荀子の学統が如何に後世に影響したかを明らかにしたいと考えている。もともとそこまで大逸れた話をするつもりはなかったのだけど、この訳に手を付けてから二年以上が過ぎて、私自身の考えや認識にも深化があった。
荀子というと、韓愈から宋明理学に至るまで、儒教の中興に及んだ時期に孟子の再評価とともに批判された人物であるというイメージがあるけど、漢代の儒学において大きな影響力を持った荀子の学統が、無意識のうちに唐代から宋代、明代に至る儒学に影響を与えていたのではないか、そのように私は考える。
というのも、訳してみると王符の潜夫論、明らかに荀子の影響が色濃い。今回訳した讃学第一も、ほとんど荀子が勧学篇で述べる仮物論や師論の説明や発展形と言って差し支えない。王符を後漢三賢と顕彰したのは韓愈だし、それを批判的なものを含め引き継いだのが朱熹をはじめとする宋明理学で、それ以降の展開に連続性があるんじゃないかなーってのを検証したいなって。