匹夫もその志を奪うことはならず(論語) 梁漱溟和毛澤東的大吵 1953/09|福光 寛 中国経済思想摘記 #note
https://note.com/hiroshifukumitsu/n/n70f130673a89
梁漱溟と毛沢東の争吵。
完全に史書の儒者と皇帝。読んでて最初は「こんなの現実にあるぅー!?」って感じで、テンションぶち上がっちゃったけど、ちょっと冷静になれば、さすがに嘘くさいとわかる。後ろの方に史料との突き合わせがあるけど、実際よく記録から取材された小説といったところ。書いた人は検索すると中国民主化運動の作家さんみたいだし、一種の反共宣伝なのだろう。しかし読んでて途中までぐいぐいと惹き込まれた。中国文化の文筆の力はヤバい。それと訳がめちゃこなれててすごい。
梁漱溟は農村自治を唱えた社会運動家。独自の進歩主義的な文明観を有する。そのために儒教を再評価し、近代中国の思想家として、時に「最後の儒者」とも呼ばれる。もともとは仏教学者であり、大学教員としてインド哲学を教えていたこともある。自己批判以降、失脚した。
ガイ・S・アリット『最後の儒者:梁漱溟と近代をめぐる中国のジレンマ』で、昔読んだこのブログ記事を思い出した。すごく興味があったのだけど、日本語訳がなくて読むことは諦めていたけど、そのうちに10年以上経っていたことに記事を検索して驚いた。英語の学習のためと称して思い切ってお守りがわりにでも買おうかなあ……と思って検索してみたら、
http://barbare.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/s-2443.html
はあ? むりむりむりー。英語の本の図書館とかあるんかな。
覇業の皇帝と弘毅たる儒者の対立ってやっぱりいいよねー、って。こういう小説が書かれるってことは、やっぱりみんなも好きなんだろうね。それにしてもこの手の反毛沢東的な実録調の小説文を読んでよく思うことなのだけど、毛沢東が悪役として魅力的すぎない? 反共宣伝で毛沢東に畏怖と憧憬を抱いているところが私には間違いなくある。
追記 2023年03月11日:
ペーパーバックを見つけた。
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