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塗説録

愁いを天上に寄せ、憂いを地下に埋めん。

昔于老伝を修正して注を追記。
焚巣館 -三国史記 第四十五巻 昔于老伝-
https://wjn782.garyoutensei.com/kanseki/sangokushiki/45kan/06sekiuro.html

 というわけで、かなり長らく以前から訳していたもの。本日の更新。我ながら注が充実していると思う。古事記や日本書紀とクロスオーバーする逸話なので、書けることがたくさんある。新羅前半期の大英雄である昔于老の列伝である。

 王になれそうでなれなかった戦争の英雄であり息子が王になったというのは、日本でいえばヤマトタケルを想起させる。ただし、古事記に登場するヤマトタケルは残虐無比のサイコ野郎であり、女装してクマソタケルを騙し討ちにするのはまあマシな方で、幼少期から兄を朝ごはんの前にバラバラ殺人してトイレに捨てたりとか、友人として打ち解けていたはずのイズモタケルをいきなり騙し討ちで斬り殺し、そこで「ああ、おかしい」と一句歌うなど、正常な人間としての情緒が破壊された戦闘機械(バトルマシーン)であるが、昔于老は兵卒に気を遣う立派な人格であり誇り高き武人として描かれる。酒の席で軽口を言ったために殺されてしまうのだけど……。

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