塗説録

　暴力男は女にモテる。なぜなら暴力はセクシーだからだ。ゆえに、オラついて女をヤリ捨てする男は後をたたない。すぐに連中は「女なんて穴だと思った方がヤれる」と言う。そりゃそうだろう。でも、それだけ。それなのに、ヤリ捨てナンパ師は女を自分が支配してると思い込んでいる。
　事実、心理学者ジェフリー・ミラーの研究によれば、男は女を口説くとき、共感性が"低いほど"セックスに成功する。これはよくわかる話で、ナンパなんぞ数を稼ぐには女の話に共感などせずに一方的にオラオラいくのが一番よろしい。
　脳みそペニスなナンパ師はこんな調査結果を見ればそれだけでサカっちゃう。「女なんて穴だと思われることを望んでるんだ！」と。アホくさ。「共感性をなくして女を穴だと思って接すればヤれる！」って、それはそうだけど、それがどういうことかわかってる？

　ヤリ捨てがオラオラでやりまくれるのなんて、要は女性による「性的モノ化」にまんまと乗ってるだけなのに、どうして女を支配してると思い込んでるんだろう。共感をできるだけしないことを求める相手なんて「モノ」だろ？ んなこともわかんねーかな。その覚悟ってできてるのかな。一応言っておくけど、アスペルガー症候群は関係ない。アスペルガー症候群は健常者との共感が苦手なだけで、必ずしも、お互いに共感しないようにしているわけではない。「そもそも、共感がないほうがいい」という態度がモノ扱いなのだ。
　「オラオラいけばヤれる」って、そりゃ暴力はセクシーなんだから当然だろう。そして、女も性的に充足したいとき、わざわざ共感しない相手を求めるのだから尚更である。でも、オラオラだけでヤって終わりってなら、身体目的なだけだぞ、それ。お前が女の身体目当てなんじゃない。女がお前の身体目当て。お前は無料デリヘルだ。


　結局、これって女に「モノとして扱われてる」ってことでしかないんだよね。そもそも、「女はこうすれば落とせる！」なんてマニュアルは、女の土俵に合わせる行為でしかない。女を支配してるつもりで、お前の行動が実は女に支配されてるんだよ、マヌケ。敬意のない相手に支配される気分はどうだ？
　所詮は男女なんぞ割れなべに綴じ蓋。性的モノ化なんてお互い様よの。この呪いは最後に自分に帰ってくる。軽蔑してる相手に縛られてるんだ。そりゃ無自覚のうちにストレスがたまる。カルマと言い換えてもいい。

　この関係はお互いがモノなんだから、ヤリ捨てされた女も病みがちかも知れないが、ヤリ捨てナンパ師もすぐに病む。THE Gameの著者ニールも病んだ。だって、女をモノ扱いしてたと思ったら、自分たちがモノ扱いされてたんだもの。本当にどうしようもない。
　こんなの女をナメ過ぎた結果だよ。そして、自分自身もナメすぎ。自分も他人もモノ扱いしてるんだ。頭までぺニスになったマヌケなヤリ捨て男は女の呪いで人からチンポになる。病んで当然。人として一番大切なのは思いやりの心だと気づいたときにはもう遅い。

　ナンパなんぞやめて人生を生きろ、人生を。モノである限り、人生は生きられない。