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塗説録

愁いを天上に寄せ、憂いを地下に埋めん。

東夷の倭人がバンプ・オブ・チキンの曲を紹介する。
 バンプ・オブ・チキンというのは鼻持ちならないサブカルというイメージしかなく、ゆえにどうでもよい存在ではあったのだけど、ラッドウィンプスがウヨ騒動を起こしたために相対的に私の中で評価が高くなった。いずれにせよどうでもいいのだけど。ラッドウィンプスとバンプ・オブ・チキンを聴き分けられる人ってソムリエなの? なんかGヒロコウじゃなくて……なんだっけ、あのGヒロコウじゃない方のエロ漫画家。あれが描いた四コマでネタにしてた気がする。それくらいしかわからないバンドだ、これは。
 とはいえ、一応私が最初に結成したバンドがバンプ・オブ・チキンのコピーバンドだったので、思い出深いバンドということになってしまった。全然思い入れがないのに。もともと一曲も知らない、あ、天体観測は知ってたか、それ以外一切の曲を知らない、天体観測もバンプ・オブ・チキンの曲だと知らなかった、そんな私がなんでコピーバンドをやったのか。初心者の上に人付き合いも苦手だから、とりあえず最初に知り合ったバンドマンの始めるバンドに参加してキャリアを積もうと試みたがゆえである。換言すれば、早まった、それだけである。


 バンプ・オブ・ザ・チキンの代表曲らしいが、バンドで演奏することを提案されるまで知らなかった。初のライブに向けて「この曲はみんな知ってるよね! これをやろう!」というバンドメンバーをしり目に、演奏者にもかかわらず知らない曲を選択されるワタクシ。とはいえ、なにひとつ曲を知らないので、よくよく考えれば選択もクソもない。これを演奏せざる得ない。「他の曲やりたい?」とやさしく問いかけるメンバー。「いや、バンプよく知らないからこれで……」目を逸らす私。これが10年前の私だ。
 曲は……うーん、なんか別れる男女の歌。よくわからない。バンドメンバーは「すっげえこれほんとせつねえ!」って言ってたけど、「あ、うん。確かにさびしいんだろうね、たぶん。親しい人と離れ離れになるんだし」みたいなピンボケした反応しかできなかった。知らねえよ、恋愛のことなんか……。私は頭の中には『車輪の国、向日葵の少女』しかなかった。
 ちなみに、私は初のライブで頭が真っ白になって一切楽器に触れず棒立ちし、「ベースを弾けなかったシド・ヴィシャスのアティチュードです」とごまかしたが、あの白けた空気はもう思い出したくない。ちなみに、実際のシド・ヴィシャスはベース弾いている。


 テイルズオブジアビスの主題歌。これはオタクの私でも反応できる曲である。テイルズオブジアビスはアニメ版の脚本が金月龍之介則ち山田おろちで、前の記事で少し触れた学生運動アニメ『まなびストレート』のシリーズ構成をしています。そしてそして、なにより触れないといけないのは、氏が山田おろち名義でシナリオを書いたエロゲ『ジサツのための101の方法』ですよね! これは電波ゲーとして有名作品で、三大電波ゲーに数えられています。私も好きな作品ですので、是非ともプレイしていただきたいですが、ソフトは入手困難……。

 何も言わず見てください、このOP! これが心に刺さった人はやって損はないと思います。ああ、このままエロゲの話をずっとしていたい。もうバンプがエロゲの主題歌歌えばいいんじゃねーの。人間椅子だってエロゲの主題歌やったんだし……。
 あー、でも、カルマは初めて自分が納得いく演奏がライブでできた曲で、これまで私をさんざん罵っていた先輩(年下の女性)に初めて褒められた曲で、そのへんは思い出深いですね。

 これが人間椅子が歌ったエロゲ主題歌。もう全然バンプの紹介じゃねえな……。


 最期はこれ。この曲は演奏してて楽しかった曲です。バンプ・オブ・チキンって曲がそもそも聴き分けられないくらい似たような曲ばかりなので(カルマとアルエの違いがよくわからない)、これはちょっと曲調が違っててよかった。弾いてて楽しかった。
 歌詞の内容はオタクにも結構刺さるかもしんない。私は別に刺さらないけど。変に内容があるよな、バンプ・オブ・チキンの歌詞。それが逆に嫌だ。まあ、でも、こういう歌をトップアーティスト(なのかな?)が歌うっていうシチュエーションはいいかもしんない。「お前そういう自意識なんだ?」みたいな。ほんとサブカルですよ、連中は。逆に言えば、オタクが「自分(たち)だけが持っている自意識」と思い込んでいる代物が、実はメジャーなバンドやそのリスナーが共有している程度のものだと白日の元に晒すのは私としても気味がよい。

 ネタが尽きた。ジサツのための101の方法以外全部忘れていいよ。考えてみれば、バンドにはひとつも思い入れがなく、曲も全然好みじゃなく、歌に心動かされることもないのに、なぜか友人や自分の趣味、自らの青年期の思い出が曲のひとつひとつから感じられる、そんなバンドが自分に存在することには不思議な感覚がある。
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コメント

1. 無題

フジファブリックはご存じですか?

2. Re: タイトルなし

 知らないです……。消臭剤とフジテレビしか思い浮かばない。

3. No title

鼻持ちならないサブカル好きとして言わせてもらうと、車輪の唄は恋愛ソングというよりは一時期このバンドに多かった「夢と愛情/友情を天秤に掛けて前者を選択する」テーマの曲です。天体観測も弱った仲間を見殺しにする曲なので近いところがあるかもしれません。

ラッドとバンプの一番の違いは、恋愛ソングの割合です。ラッドは下手したら半数以上が恋愛の唄なのですが、バンプは「愛」というワードを歌詞で見かけたことがありません(「恋」は一曲だけあります)。
「君と書いて恋と呼んで、僕と書いて愛と読もう」みたいな歌詞は、バンプではまずお目に掛かれません。

カルマとアルエの違いが分からないのに才悩人応援歌は分かるのが不思議です。3つとも似た曲調だと思っていたので……

4. Re: No title

 なるほど、解説ありがとうございます!
 なんかこう、煽りでもなんでもなく「へー」以外になにも思い浮かばず、コメントに困りますがありがとうございます!

 最後のは、私も「才悩人応援歌、改めて聴くとそんなに曲調違わないな……」と思い、書こうか迷ったところであります。
 車輪の歌について、なるほどなー、と思いました。周囲が恋愛の歌だと言うから、そう思い込んでいたようです。っていうか、何の歌を恋愛の歌とみんなが解釈して聴いているのを、これは恋愛の歌じゃないと看破して大ブーイング、で、公式を調べたら恋愛の歌じゃなかった、というようなことが過去にあって、秘かにそういったことに自信を持っていたのですが、気付かずスルーしてしまうこともあるのだと自分で気づかされました。あれ? 意外といろいろ書けたな……。

 私がRADWIMPSの歌詞なんて聴いているわけないじゃないですかー。自分が弾いた曲でさえ、歌詞は意味をろくに認識せず、機械的に弾いてただけなのに……。

 サブカルクソ野郎がこのブログの読者にいらっしゃること自体が嬉しいです! こういったコメントは本当に嬉しいので、今後ともよろしくお願いします。
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