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塗説録

愁いを天上に寄せ、憂いを地下に埋めん。

確実に当たる馬券だけ買うことはできなくても、競馬で勝とうと思ったら当たりそうな馬券を選んで買い、当たらなさそうな馬券は買わないに決まってる。少なくとも、まともに競馬をやろうと思ったら「どれが当たるかわからないから」などと言ってすべての馬券を満遍なく買うようなマネをするはずがない。
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 タイトルがすべて。こんな簡単なことがわからないのがインテリ。

 インテリに大人気のこの漫画だけど、端的に言って譬えが不適切。主張は「学術とはどの分野が科学の進展に寄与するかわからないし、基礎研究はすぐに実際的な成果に結びつく分野ではないのだから早急な成長を見込んで投資することなどできない。だから予算を拡大して各分野に満遍なく予算をつぎ込まなくてはならない」だけど、それならばこの譬えは明らかにおかしい。
 確実に当たる馬券だけ買うことはできなくても、競馬で勝とうと思ったら当たりそうな馬券を選んで買い、当たらなさそうな馬券は買わないに決まってる。少なくとも、まともに競馬をやろうと思ったら「どれが当たるかわからないから」などと言ってすべての馬券を満遍なく買うようなマネをするはずがない。そんなことをしたら競馬では丸損であるし、そんな大金などそうそう用意できるはずがない。こいつは大金をかけて丸損すべきだと言ってるのだろうか。「馬券をすべて買えば確実に儲かる」という方がよほど支離滅裂である。

 もし競馬と研究が同様であるならば、やはり選択と集中が正しいとしか言いようがないし、もし同様でないならこの譬えは不適切である。この画像が大人気の時点でインテリは終わってるんだよ。こんなの考えなくても見ればわかる。
 インテリは理性的で正しい判断ができるという神話は完全に間違いで、自分に都合のいいことは明らかにおかしいことでも受け入れてしまい、多くの人が正しいと言ってることをなんとなく正しいと思ってしまう癖を持つのが人間である。こんなの知識量は関係ない。結局、連中は大学の予算を増やすためのプロパガンダになれば何でも受け入れてしまうのだろう。


 もともと私は大学改革に反対派だったんだけど、大学改革への批判は概ね首肯するところが多いものの、それらをおこなうアカデミズムの連中が理想とする大学像というのが吐き気のするような貴族主義によるノスタルジーであり、貴族とブルジョワジーならブルジョワジーの方がマシだな、という理由でもはや大学改革の方がマシだと感じつつあるし、イケハヤサロンの方が現行の大学制度よりあくどくない分マシである。現状保守ではもうだめだと思うので、大学改革に批判がある人はよりマシな提案をするしかないというのが実際だと思う。
 ちなみに、私は大学解体派です。それと地域ごとで大学を自治するというアイデアもあるけど、そのへんは追々。

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