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塗説録

愁いを天上に寄せ、憂いを地下に埋めん。

パンケーキとしての選挙

Twitterではみんな投票に行ってるのになんでこんなに投票率が低いんだ…?
- Togetter https://togetter.com/li/1379019 @togetter_jpさんから



 投票に行った人は「投票行ったー」と何の気なしに書く人多いだろうし、投票に行かなかった人のほとんどは、わざわざ「投票に行かなかったー」とか書き込まないことが多いんじゃないの。

 だいたい、投票自警団のような、「ややっ、あなたは投票に行かなかったのですか! あーあ、これは愚民ですわー。我々のような投票権を行使する"目覚めた人"とは隔絶した蒙昧な愚民ですわー。先人が血を流して得た投票権をみすみす放棄する無知蒙昧な愚民は、独裁者の弾圧によって家族全員が凌遅刑に処せられたとしても文句を言う資格はありませんわー」とか言いながら投票しなかった人にねちねち絡んでくる連中に自分のタイムラインを見られてると思ったら、なおさら「投票に行かなかった」とかいちいちTwitterに書き込むわけないじゃん。お前らは他人を見てジャッジする立場に立ってると思ってるかもしれないけど、お前らも他人に見られてジャッジされてるんだよ、マヌケ。「投票よりパンケーキが大事」の人にいちいちキレてる連中とか、ほんと早く死なねーかな。投票とパンケーキならパンケーキのほうが大事に決まってる。

 基本的に私は雨降ってたら投票行きません。濡れるのやだもん。投票所でパンケーキ配れよ。出店開け。そしたら雨でも行くかも。あ、でも出店は雨天中止か。私の場合、入場券忘れてパンケーキだけ食って帰る、みたいなパターンが増えそう(多動性発揮)。入場券を家に忘れたたときは、買い物して家に帰ってもう投票に行かないですよ、私は。だって、ひきこもりがちな自分からすれば散歩のきっかけ程度のことでしかない投票に再度行くなんて、ただめんどくさいだけだし。投票率だけ上げてなんか意味あんのかね。くだらない。



 で、今回の参議院選挙について。全然興味なかったから触れる気もなかったんだけど、昨日人と話してたとき、「選挙自体が嫌いだし、投票に行けとか言う連中も嫌いだけど、能力主義を否定したり障碍者差別に反対したいかられいわ新撰組に入れた」と言ってる人がいて、その判断が正しいかについては置くとして、投票する能動的理由があれば選挙嫌いの人も投票するよねって当たり前のことを再確認。動機やきっかけがあれば人は投票するし、動機やきっかけがなければ人は投票をしない。もう本当に当たり前の話だけど。でも、日本の選挙活動は法律で大きく制限されてるから、選挙カーで名前を連呼するくらいしかできないわけよ。名前叫んでるだけの人に能動的に投票するか? しかし、選挙期間中の公開討論も個別訪問も禁止されてるからどうしようもない。きっかけをつくりづらい制度がはじめから日本には存在するの。選挙は制度なんだから、最初に個人より制度に目を向けろよ。マヌケ。

 そもそも、投票率が高かった頃の日本って、町内会や労働組合が強くて、その付き合いなんかで投票に行ってた人が莫大いた時代なんじゃねーの。それで政治の右も左もわからない人が付き合いで投票に行き、それが投票慣習を育む動機やきっかけになり、そこで政治について少しずつ知識を得て、1年もすれば自分から新聞を読むようになり、こうして学卒かどうかに関係なく民主国家の構成員として政治を論じられる、いっぱしの「大人」に成長する、そんなライフサイクルが存在していたのだろう。こんなの、30歳そこそこで当時を体験してない私でもわかることだ。マヌケなインテリリベサヨが「若者の投票慣習のなさや政治意識の低さは教育に問題ガー」と教科書通りの毒にも薬にもならねーゴミみてーな話してるけけど、ここで言ってる教育って学校教育のことに限定されてるよね、明確に。はっきり言って、よくもわるくも学校教育なんて50年間そんなに変化してねーし、こっちはむしろ昔より多少はましになってる面も多い分野なんじゃねーの。

 若者に投票に行く慣習が構築できてないのは、昔でいう町内会や社内労働組合みたいな「学校を出た後で投票を社会慣習として構築する共同体が崩壊したから」なんだよ、クソマヌケ。こんなもん、常識で考えたらすぐにわかる。個人の知識や倫理で、わざわざめんどくせー投票なんてそんな行く気になるわけねーだろ。なんで頭のおよろしいはずのインテリリベサヨ様が社会慣習や社会構造の変化に目を向けないのかね? 投票率が高かった昔の方が進学率だって低かったなんてわかりきってるじゃねーか。むしろ進学率が高まった「学校教育偏重主義」こそ低投票率に一役買ってるんじゃねーの、くらいのことは検討して然るべきだろうに、なんで判を押したように「学校教育ガー」しか言えねーの、あいつら。無駄にお勉強をして首の上の腸にクソを詰めたら、フン詰まりを起して鼻の下のケツの穴からクソ垂れ流すしかできなくなるのか? 塗装工の私が建築現場で塗料とシンナーを混ぜ混ぜして頭クラクラさせてる間に難しい本の内容を頭に詰め込んでたインテリの皆さまは、それでなにを得てきたの? なんでそんなにマヌケなのに上から目線で偉そうなの? ところで、私は革命家だから常に下から目線だし、偉そうなんじゃなく偉いのである。

 個人の知識だの義務感だのに投票率の問題を帰着させようとするシバキ主義こそ真に頭がおかしいワタミ以下の隠れネオリベであり、インテリリベサヨはネトウヨと一緒に全員死刑にするべき。「学校教育ガー」しか言わねー修身主義のインテリリベサヨの腐れ儒者っぷりが目に余るので、儒家者を自認する私でも始皇帝になって全員穴埋めにしてやりたくなるよ。学校で教育を完結させようとしたり、高校教育や大学教育の延長線上にしか教育の存在を見ることができない社会状況こそ、「処女の床上手を求めてる」なんて揶揄されるような即戦力主義のネオリベの温床だろうに。非正規雇用が増加して会社教育が失われた時代、労働組合の崩壊、大学進学率が増加した時代、投票率の低い世代、調べてねーけど全部連動してると確信を持って言える。

 多元的で重層的なそれぞれの社会で、継続的に行われるのが本来的な教育であって、慣習は継続によって構築される。職場、社会人サークル、町内会、労働組合、神社や寺、教会などの宗教施設、どれもその共同体の教育によって人を形成する共同体なのだから、仮に「教育の敗北」というならば、それは教育というものが学校に限定されたものとしてのみ受容されている現状に対してこそ、その言葉がふさわしいと言えよう。特に、投票行為のような学校を出て以後に本格的に行使する権利についての慣習は、学校卒業後に習得できる共同体に所属するかにかかってるのは当然のことである。

 何度でも言うけど、こんなもん、常識で考えてわからないはずがないのに、なんで無視してるの? というか、こんなの考えなくてもわかるよね? たとえば、高校卒業前後に「投票実地研修」みたいなのを一度開催するのと、高校卒業後に町内会で一緒に草刈りしてるおっちゃんや就職先の社内労働組合で先輩から選挙応援なんかを頼まれて継続的に選挙に参加する機会があるのと、どっちが投票率向上に効果があるかなんて考えなくてもわかる。逆に聞きたいんだけど、どう捻じ曲げて物事を考えてるんだ、あいつら。

 私は低投票率自体を嘆く趣味は全然ないからどうでもいいんだけど、嘆いたふりして自分の優位を確認したいインテリ連中から発される選民意識の腐敗臭にはシンナー以上に頭がクラクラする。インテリは知識はあっても常識がない、というステレオタイプそのままじゃないか。常識を持て。常識とは、天の経である。地の義である。民の行である。民の行をしらずして天下国家を語ろうとは、笑止千万。修身の後は斉家であり、斉家の後にようやく治国がある。斉家とは「家を斉(ととの)える」と訓ずるが、これは個人と国家の間に存在して紐帯する共同体のことを思うことを示していると解釈することができよう。地域や共同体の権利や福祉の観点がない自警団による投票煽動こそ、独りよがりかつ個人を国家に直結させて集約させるファシズムの先鞭ではないか。連中は民主主義をなんだと思ってるんだ? テメーが偉そうな顔をするために投票を煽動している連中こそ民主主義をナメてるだろ。
 第二次世界大戦前後にイギリス労働党の幹部としてそのブレーンを務めたハロルド・ラスキは国家社会主義や侵略戦争に対抗するため、労働組合や宗教団体などの国家を相対化する共同体の重要性を説き、それらが代表を選出して協議する装置としてのみ立法権を有する国家の優越性を認める多元的国家論を確立して独裁制を批判し、議会制民主制を擁護したけど、これと逆行してるのがリベサヨ。インテリファッションのためのリベサヨファシズムはヤメロ。近代における正規学校は民衆の自発的な共同社会ではなく、国家主導の側面が強いことにこそ、我々は気づかなければならない。

 多くの昔の人は、家族や組合、町内会なんかの人とのコミュニケーションの一環として投票に行ってたんじゃないのかね。それこそ、友人と談笑の席を共にするためにカフェでパンケーキを食べるように。一人でパンケーキ屋を綿密に調べて一人で食べに行くのは好事家であり趣味人なの。選挙だってそう。人間の本質なんてそんなに変わるもんじゃないだろう。

 再度断っておくけど、低投票率そのものについては本当にどうでもいいです。なにが問題なの。


HA HA HA HA HA
選挙の日って ウチじゃなぜか投票行って 外食するんだ
(奇跡見たい すてきな未来 意外な位 すごい恋愛)
LET'S GO!


 これ、私の家もそうだったし、家意識の強い田舎の奇習の一種だと思うんだけど、私に一応の投票習慣があるのって、そういう家だったからってだけのことなんよな……。
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コメント

1. 無題

インテリリベラルが投票に行かなかった人間の人権をなくせ、増税を押し付けるツイをみました。
ツイッターで慣れしかしてないうえに人も取り組む努力もしなかった
癖に投票しなかった人間に逆恨みしてます。

2. 無題

野党共闘はもう本格的にダメな感じが…
ほぼほぼ野党側の利権と化しとる

3. Re: タイトルなし

 リベラルに余裕がないのはわかりますが、秘密選挙、平等選挙の原則をなんだと思っているのかと思いますよ。秘密選挙も平等選挙も現在の日本の学校では中学校で教える範囲ですから、偉そうに他人を無知だ之不勉強だのと罵るインテリリベラルが知らないはずがない。奴らはまったくの犯罪的な詐欺師ですし、民主主義を一番ナメてるのはあいつらだと思います。あれこそファシズムなんじゃないのか、自由と平等の理念を一番憎んでいるのではないかと考えてしまいます。民主主義の利点なんて、「自由と平等の理念に基づいた主権在民の制度」以外になにもないのに(唯一の正義を実現するなら独裁制の方が向いている。民主制の利点は各個人が平等に正義を自由に持つことができること)、それを殴り棄てて民主主義を傍証するなら意味がない。それならもう、暴力革命を唱えて自分たちで独裁革命政権を打ち立てると宣言した方が素直で責任感のある行為でしょう。

4. Re: タイトルなし

これは私も当初は「反董卓連合っぽい」と所見を述べつつも、「まあ、リベラルや左派には余裕もないし、これしかないのかな……」とあきらめ気味に是認してましたので、もうちょい見通しが甘かったのですが、ほんと単純に政策などに基づいて個別に組めるところは別個に組むという、まっとうな選挙戦略の方が正しかったのだろうな、と思いますね……。

5. 無題

選挙に行けと言わざるを得ない立場は、個人的には理解するが、
とにかく選挙通じての旧民主系とその支持者の反応が酷すぎた
安倍の後日本がどうなるかわからないが、彼らには何も期待できなそうだとは感じた

6. Re: タイトルなし

ウヨに投票しないってことまでは、ある程度「それは当然だよね?」くらいは言えても、自分たちに投票するかどうかについてまで強制できると思うのは傲慢ですしね。トランプへの投票を批判することはできても、ヒラリーに投票しないとレイシストと言われるとか、そういうのはどうかしてるとしか言えない。

7. 無題

インテリどものこれだから無知蒙昧な一般市民は()みたいな自意識の発露を見るたびにイラッときていたのですがこの記事を見てとてもスッキリしました。
選挙とは関係ないのですが以前Twitterで反ワクチンにハマりかけた主婦の体験談が流れてきたのを思い出しました。
ワクチン接種後に子どもに副作用が出てインスタで調べたら反ワクチンの投稿が多数ヒットして不安になったが夫が相談役になって医師に話を聞こうと優しく諭して反ワクチンに染まらずにすんだという話です。
ワクチン接種によって子どもを傷つけてしまったのではないかという自責の念に他者が寄り添い共に背負う姿勢を見せたからこそ医師の判断を仰ぐことができた。
しかし反似非科学界隈は子どもの問題なのにインスタで調べるな!科学リテラシーがない!と攻撃しこの人はツイートを消してしまいました。構造的な問題を個人の知識や倫理観に帰着させる学校教育至上主義が投票率の低さの問題をこえて日本の生きづらさの元凶に思えてなりません。長文失礼しました。

8. Re: タイトルなし

 まさにまさに、そういう話がしたかったのです。細かい理論はどうでもいい。
 私がこの記事内で書こうとして省いた「頭がいいだけ、正しいだけのこいつらを見てると、知や義より仁が大事だと説いた孔子や孟子の言っていたことの意味がよくわかる」という一文があったのですが、ご紹介されたエピソードがまさにそういったものだと思います。
 ネットのニセ科学バスターズは知性と正義の大鉈を振るっているつもりでしょうけど、相手を頑なにするだけだし、人を傷つけるばかりだし、効果があるどころか害なんですよね。原発事故後、逃げ惑う人々を指さして侮辱していたニセ科学バスターズを見て、特にそれを身にしみて感じました。

 もともと、ネトウヨにこそ、そういうタイプが多かったのですが(と学会で科学的な真実を知った→ネットで歴史の真実を知った)、いつしか逆転しましたね。twitterでも10年前はネトウヨの方が学歴至上主義やエリート主義が多く(だから古くからのネトウヨにはネオリベが多いし、生活保護バッシングをするのもネトウヨ。共産主義のことも負け犬のルサンチマンと叩いていた)、左派に論難されてはブロックをすぐしていたのもネトウヨだったのですが、まったく事態が逆転したように思います。悲しい。

9. 無題

今日の毎日新聞に、日本一投票率の高い村として新潟県の離島の粟島浦村が出ていましたけど、これ《家族や組合、町内会なんかの人とのコミュニケーションの一環として投票に行ってたんじゃないのか》という倭人さんの説の正しさの裏付けになりますね。

10. Re: タイトルなし

 その村の選挙ではポスターも貼りださないということなので、共同体意識が非常に強いのでしょうね。好意的にも批判的にも論じることができそうだし、非常に示唆的だと思います。今回の記事は当初、「投票自警団うぜー。パンケーキうめー。参議院選挙どーでもえーわー」だけで終わらせる予定だったのですが、社民党の大椿さんという候補者が労働組合の代表者だとアピールしてたので、今どきこういうの珍しいな、と思いながら、共同体と投票率についての関係を思い立ち、ついつい話が長くなってしまいました。これは私のブログでしか読めないタイプの記事なんじゃないかな、と何気に気に入ってます。

11. 無題

長い。三行で。
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