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塗説録

愁いを天上に寄せ、憂いを地下に埋めん。

山口県の芋煮
 日本三大芋煮といえば、東北は山形県中山町の芋煮、四国は愛媛県大洲市の芋煮、そして山口県は島根県津和野町の芋煮である。芋煮といえば東北山形県が有名であるが、三大芋煮のひとつに山口県の芋煮が数えられていることはあまり知られていない。
 芋煮とは小芋(山口県以外の方言では里芋と呼ぶらしい)を煮た郷土料理で、一番有名な山形県のものは牛肉とともに醤油、味醂、砂糖で煮込む。これがもっともポピュラーな芋煮であろう。対する愛媛県のものは鶏肉とともに煮込む。こちらも醤油や味醂で煮込むが、山形のものよりいりこや昆布などの出汁の旨味を中心に据えた味付けである。
 さて、山口県の芋煮はこれらの芋煮と違い、肉を用いず、鯛を小芋と一緒に煮込む。まず鯛の骨で出汁を取り、そこに少しだけ醤油を入れた薄い味付けで小芋を煮込む。その後、焼いた鯛の身を入れる。ゆずの皮で香りづけがされ、煮物というよりはすまし汁の一種だと考えた方がよいかもしれない。

 島根県津和野町は山口県の中でも北部にある小さな町である。稲荷神社が有名で名物は源氏巻。神社周辺はなかなか賑わった観光地で、美しい白壁の町並みには鯉こくが食べられる料理店がある。
 白壁は萩市などの山口県北部に見られる街並みで、同じく山口県北部の島根県津和野町まで広がっている。

 山口県の芋煮は三大芋煮の中ではマイナーの感は否めない。山口県の島根県津和野町では、三大芋煮をすべて食べられる芋煮会が開催されている。

おいでませ山口
イベント情報 山口・防府エリア
日本三大芋煮つわの~芋煮と地酒の会~
http://www.oidemase.or.jp/smartphone/tourism-information/spots/17537

>開催地
>津和野町殿町・本町通り周辺
>所在地
>島根県鹿足郡津和野町後田

 いずれにせよ、このあっさりとした芋煮は他にない味わいで、三方を海に面した山口県ならではの料理である。機会があれば、山口県名物、島根県津和野町の芋煮を一度食べてみてはいかがだろうか。
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