塗説録

　リベサヨを処刑したいところで、本懐のネトウヨ処刑である。私が政治に首を突っ込んだきっかけはネット内の差別への憤りであり、言うまでもなくリベサヨを叩いて留飲を下げるような真似をして乱痴気騒ぎをするつもりはない。

　古参の東夷の倭人ファンはご存じの通り、私は何度も何度も「ネトウヨはインテリから始まっている」という不動の事実を叩きつけており、もともとインテリ叩きはネトウヨ叩きの一環としてしていたことである。
　もともと私はインテリリベサヨには好意的だったり譲歩的だったのだけど、さすがに連中の暴虐に堪らなくなり理論をインテリリベサヨに当てはめて批判を始めただけで、私としては不本意にしていることである。この私の話に耳を貸したリベサヨは一人もいない。一人も、だ。だからこれからリベサヨは負ける。自業自得だ。それはそれとして、ネトウヨを処刑する。

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日中友好は富士山のように揺るがず
http://jp.jnocnews.jp/news/show.aspx?id=52496

　さて、川勝平太が人民日報でインタビューを受けたことをもって中国共産党のスパイだとネトウヨが騒いでいる。しかし、もし川勝が『中国共産党のスパイ』なら、世に蔓延るウヨ連中は随分と『中国共産党のスパイ』と仲がおよろしいようである。
　もう一度言うけど、川勝平太はウヨである。リベサヨじゃない。こいつはネトウヨだ。インテリネトウヨだ。ネットをやっていないからネトウヨじゃないというならウヨと認識すればよろしい。ネットでウヨが跋扈する土台を築き上げてきた『ネトウヨ前史』のウヨだ。インテリリベサヨのほとんどは自分の選民思想をくすぐる連中ならウヨでもサヨでも賞賛するマヌケなカスだから見抜けなかっただろうがな。知ってる連中も川勝を叩くようなやつはほとんどいないだろうし、菅以上に邪悪な発言なのに、そこを糾弾する奴は誰もいないだろう。

川勝平太
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%9D%E5%8B%9D%E5%B9%B3%E5%A4%AA

公職としては、小渕内閣に設置された「21世紀日本の構想」懇談会[5]、第1次安倍内閣に設置された教育再生会議[6]と「美しい国づくり」企画会議[7]にて委員を務め、国土交通省では国土審議会の委員を務めた。京都市社会教育委員会委員、東京都大学運営諮問会議新大学の教育研究に関する検討会委員にも就任した。

　ネトウヨの認識では、第一次安倍内閣で『中国共産党のスパイ』が「美しい国づくり」企画会議の委員を務めていたらしい。なぜ安倍晋三は『中国共産党のスパイ』を自らのスローガンである「美しい国づくり」の名を冠する企画会議の委員に選定したのか。理解に苦しむ。よりによって「美しい国づくり」企画会議の委員て。川勝が『中国共産党のスパイ』なら、もしかして安倍が一番の『中国共産党のスパイ』なのではないか。

　さらに『中国共産党のスパイ』であるところの川勝が挙げる理想の内閣は、以下のとおりである。

理想とする内閣

　川勝は「日本最強内閣」としての閣僚には誰が最適かとするアンケートにて、内閣総理大臣に櫻井よしこ、外務大臣に曽野綾子、厚生労働大臣に中村桂子、内閣官房長官に中山恭子、の4人の女性の名を挙げている。その他の閣僚としては、総務大臣に丹羽宇一郎、財務大臣に堺屋太一、文部科学大臣に寺田典城、農林水産大臣に竹中平蔵、防衛大臣に山折哲雄を列挙し、無任所の行政改革担当大臣には渡辺喜美を挙げている。川勝は、櫻井について「憂国の士」 であると指摘したうえで「美しい大和撫子」 と評しており、それを理由に内閣総理大臣に選出したと説明している。

　中村桂子は誰か知らんが、女性四人の名を挙げて三人が私も知ってる名うてのウヨ。ここまでよくウヨを収集したものだと逆に関心する。総理大臣が櫻井よしこで外務大臣に曽野綾子て……。相当キワドいネトウヨじゃないとこんな人選できないだろう。櫻井よしこというのはウヨが中国と韓国を差別するための「特定アジア」という語を発明するきっかけになったウヨで、曽野綾子はアパルトヘイトを支持して5年前に炎上していたウヨだ。
　最近は名が挙がらなくなった気がするけど、10年以上前にウヨと対峙してた人なら総理大臣が櫻井よしこで外務大臣に曽野綾子という人選のヤバさは皮膚感覚でわかると思う。どうも櫻井よしこと曽野綾子は『中国共産党のスパイ』から、理想の内閣に参画すべき面子だと思われているようである。

　事程左様に、ネトウヨの教祖的存在であった連中に権力の座についてほしいと希う川勝平太がネトウヨによれば『中国共産党のスパイ』なんだそうである。櫻井よしこが総理大臣に就任すべきと唱え、安倍内閣にブレーンとして協力したインテリネトウヨが『中国共産党のスパイ』であれば、もはやネトウヨ自体がすべて『中国共産党のスパイ』だと言えよう。
　実際、西側諸国にウヨが大量にいた方が自国の少数民族弾圧を正当化できるから、中国共産党にとっては都合がいいんだけどね。宋文洲とか、トランプを支持してただろ？ あれってそういうことだよ。Twitterでも書いたけど（もちろん、ウヨにもサヨにも都合が悪いから誰も私の意見など聞かなかったが）。
　ちなみに、大阪維新の会の発足人かつブレーンであり大阪都構想の提案者である堺屋太一やパソナの竹中平蔵なども挙げており、ネトウヨかつネオリベというオールド・スタイル・ネトウヨであることがよくわかる。

　しかも、この川勝平太とかいうウヨおじさん、『新しい歴史教科書をつくる会』の会合にも参加し、その理論を同会発起人の西尾幹二に絶賛されている。『つくる会』というのは有名だから説明不要かもしれないけど、要は南京大虐殺を否定したりとか、慰安婦問題をなかったことにしたり、そういうウヨ系の歴史観に基づいた教科書をつくろうという右派による社会運動団体である。

　ただし、本人は会員ではないと主張しているが。その弁解内容が以下。
　

「新しい歴史教科書をつくる会」との関係 1997年に行われた新しい歴史教科書をつくる会第二回シンポジウムに参加[63]しており、2005年当時の「つくる会」の公式ページ[64]や2009年県知事選での一部報道[65]では「つくる会」の賛同者であると紹介されていた。しかしながら、2009年7月8日の知事就任記者会見において「賛同者なのか」との質問に対して「もう違います。ああいった方々とは一線も二線も画しております。」と否定している[66]。川勝知事は記者に対して「まず誤解を解かなければいけません。新しい歴史教科書をつくる会ですか。一度もメンバーになっておりません。あれは最初会長になった西尾幹二という方が電話をかけてこられて、歴史教科書についてどう思うか、私の観点では日本史と東洋史と西洋史が分けられているのがおかしいと、そしてそれが選択科目になっているのがおかしいと、そういう観点での歴史教科書についての疑問があったので、教科書を見直すというのであればいいと、ところが御承知のように蓋を開けたところ特定の問題について必ずしも歴史家でない人たちが自らイデオロギーを論じる場になっていたので、一度もメンバーになっていません。それが誤解されてですね、あなたは中日新聞ですか、朝日新聞でも、教育再生会議の委員になったときに最初の版で、私がメンバーであるとお書きになって、それは調べてみたら違ったと、それで外されました。ですから私はメンバーではありません。」と語った[66]。

　川勝の主張を要約すると「つくる会に顔を出したことはあるが、歴史学をわからない連中がイデオロギーの話ばかりしているだけだったので、インテリな俺は愚民と違ってそんなところには籍を置かなかったぜ」ということなんだけど、上の理想の内閣で首相に名を挙げた櫻井よしこは『新しい歴史教科書をつくる会』の会員で、櫻井よしこは20周年記念講演もおこなっている。
　川勝平太は「ああいった方々とは一線も二線も画しております。」と言っているが、そんな言葉誰が信じるんだよ、って話だ。ちなみに、川勝平太はしっかりと新しい歴史教科書をつくる会の賛同人に名を連ねている。
　それと川勝平太は『つくる会』の提携団体である教科書改善の会のシンポジウムにも竹田恒泰と一緒に参加している。どうのこうのと言い訳しようと、「そういう歴史観」を持っているものだと思われる。

　また、第一次安倍内閣では『第３回規範意識・家族・地域教育再生分科会議事録』にて、「自国への誇りを持たない日本人は、海外に出れば、尊敬されません。教員自身が自国への誇りをもち、夢や希望をもっていないとなりません」「教育再生の理念に関しましては、これは改正教育基本法に述べられていることに尽きているというふうに思っております」と語っており、イデオロギーは推して知るべし。ちょっとわかりづらいかもしれないけど、前者は南京大虐殺などを教科書から削除しようとしているウヨがよく用いる言葉で（南京大虐殺なんかを教える教科書は自虐史観で日本人から誇りを奪う、というもの）、後者は安倍政権が推した教育基本法の改訂案で、日本国憲法との関連性を削除したものに賛同している。同法は、人権に基づいた教育を否定するものだとして、当時から左派から危惧されていた。上に引用した『反自虐史観派』の『教科書改善の会』の正式名称は『改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会』である。森友学園問題もこれと同一線上にある。

　今回話題になった静岡県知事の川勝平太ってただウヨなどころか、相当ウヨ界でも古参で大物なんだよ。こういった活動経歴を見てもそうだし。じゃないと、第一次安倍内閣のブレーンになるはずがない。

　インテリリベサヨは人倫に悖ること甚だしい連中だから川勝の「教養レベル」発言に乗っかっちゃったけど、あの発言も自身のイデオロギーからしたら、おそらく何の矛盾もない発言なんだと思う。

　たとえば監修した書籍にこういったものもある。

（ポール・スノードン・大竹正次）『イギリスの社会――「開かれた階級社会」をめざして』（早稲田大学出版部〈Waseda libri mundi, 25. United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland〉, 1997年）
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%81%AE%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E2%80%95%E3%80%8C%E9%96%8B%E3%81%8B%E3%82%8C%E3%81%9F%E9%9A%8E%E7%B4%9A%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%80%8D%E3%82%92%E3%82%81%E3%81%96%E3%81%97%E3%81%A6-waseda-libri-mundi-%E3%82%B9%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%B3/dp/4657979345

　もともとベタな教養主義、エリート主義、知性偏重主義がネトウヨの典型だったんだよ。こいつもご多分に漏れずそういうわけだ。
　要は川勝平太はインテリネトウヨらしく階級社会を望んでいるから、あんなインテリな態度を取っているわけで、川勝を絶賛したインテリリベサヨもそれは変わらないことが判明した。ゆえにインテリネトウヨ＝インテリリベサヨであり、インテリは掘った穴に埋めないとネ。

　ネトウヨの発言なんだから、ちゃんと「ネトウヨはああいう知識偏重主義で貧困者を自己責任と切り捨てる連中だ。ああいう連中こそ右翼だ」と糾弾していればリベサヨが勝てたかもしれないのに、その前段階で「庶民はインテリにルサンチマンがあるんだー。反知性主義だー」とか喚いていたからそんなこと言えるわけがない。あーあ、全部リベサヨが邪悪なインテリだからこうなってしまったのである。もう本当にマジで死ね。譬喩じゃなくインテリは死ね。お前らが差別主義者だ。

　しまった、久々のインテリネトウヨ糾弾記事なのに、インテリリベサヨへの批判で記事が終わってしまった。本当に私はインテリリベサヨ糾弾ってやりたくてやってるわけじゃないんだよ……。
　ただ、これは前も言ったけど、民主党政権の前後でどうにも元ネトウヨっぽいインテリ連中が相当数リベサヨに混入したくさいんだよな。『たかじんのそこまで言って委員会』も政権交代前には民主党を推してたし、その後あたりでリベサヨ化したネトウヨがいると思われる。
　シュナムルとか、あのへんが典型だけど。アレって元ネトウヨっぽいじゃん？ 逆にあの頃、ネトウヨ化したリベサヨもいるけど。dadaとか。ほら、あのへんで層が大小入れ替わった理由もわかる。dadaは元『庶民派サヨク』だし、シュナムルはおそらく元『エリート主義ネトウヨ』という具合だ。


　というわけで最後に。

　川勝平太がなぜここまで早く「中国共産党のスパイ」と言われているかといえば、その前史があって。要はウヨ界で「裏切者」扱いされているわけ。だからこそ、静岡県知事という立場で他にないほどウヨからそういったレッテルを貼られている。川勝はネオリベ系のネトウヨだから移民を呼び込んでいるということで、排外主義のネトウヨはそちらに反発している、と。要はウヨの内ゲバであり、しっかりとそう認識しなくてはならない。




　『ドキュメント「慰安婦」問題と教科書攻撃』の歴史修正主義にかかわる人物団体相関図にもしっかりと名前が載っている。『教養レベル』とやらが高いとネトウヨになるらしい。私には教養がなくて本当によかった。