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塗説録

愁いを天上に寄せ、憂いを地下に埋めん。

翻訳中の漢籍について②

 興味のある人がいるのかわからないけど、訳している漢籍について現状整理。

論語注疏
 やるやる詐欺。とはいえ一応は八佾篇(第三)の中盤である子曰君子無所爭章まで訳している。更新は為政篇(第二)の子曰攻乎異端章まで。本来的にはこれを先にすべきなのだけども。ちなみに漢文翻訳を始めたばかりの頃の拙い訳が為政篇(第二)の二番目の子曰詩三百章まで進んでいたんだけど、リニューアルして新訳が既に追い越している。未公開分は比較的新しく、4月から5月頃に訳したものが多い。放置期間は半年近いんだけど、他は1年とか2年とか平気で放置しているので。

三国史記
 一応は全訳が完了! 典籍としてはホームページで唯一の全訳公開中の漢籍である。しかし初めての漢籍全訳であり訳が拙いのでリニューアル作業にすぐとりかかったものでもある。リニューアルは現在、新羅本紀と高句麗本紀は二巻、百済本紀は一巻、それと列伝がいくつか公開されている。未公開で訳が終わっているのは、新羅本紀は3巻の翻訳に去年4月に書き下しに着手していたみたい……。完全に放置されとる。高句麗本紀は4巻が既に訳されているが注ができていない。百済本紀も昨年の3月時点で既に3巻がほぼ訳されている。蓋鹵王もすべて書き下されてて現代語訳も半分以上終わっている。なんでこんな中途半端なまま残したんだろう……。更新時期と訳した時期が乖離するのヤだから先にさっさと公開したいと思う。ところで高句麗本紀4巻と百済本紀2巻が更新されていない理由は注である。未公開分は注で詰まっているものが多い。ちなみに公開していない全訳済のものには『立憲法議』『孝経』がある。

東明王篇
 これも一応は全訳したつもりだったのだけど、実は朱蒙の父親である解慕漱が河伯に結婚の挨拶をするあたりが抜けていた。たぶん私が文章を借りたページで抜けていたんだと思うんだけど、参照元を喪失してよくわからなくなっている。で、原文の参照元が不明の漢文訳を載せるのも問題あるし、三国史記と併行していた訳文だから拙いってこともあって訳を完全に最初からやり直す、三国史記と同様のリニューアルをしていたんだけど、2023年の年始の前後くらいに序を公開した後はちまちま本文を訳したりしなかったりで現在放置中。ただし書き下しはすべて完了しているので、あとは現代語訳するだけである。現代語訳も半分以上終了。これもさっさと公開したいなあ。

広開土王碑
 これは全訳が完全に終わってリニューアルの予定もない数少ないもの。まあ碑文なんでそんなに長くもないのだけど。ただし注の城の名前が『調査中』となっている。これはもうしばらくは放置する予定。

中国史書における古代朝鮮と周辺国の記述
 史記から新五代史までの中国正史に記載された朝鮮および周辺諸民族(主に東夷)の列伝等を訳そうという企画。よくよく考えたら最初のアンソロジーと言えるかもしれない。三国史記と並行していたので、案の定リニューアルすることになったけど、拙かった漢書、史記、後漢書がリニューアルできたので後はいいかなーって感じ。①史記②後漢書③三国志④晋書⑤宋書⑥南斉書⑦梁書⑧魏書⑨周書⑩隋書⑪南史⑫北史⑬旧唐書⑭新唐書⑮旧五代史⑯新五代史……という十五史のうち公開しているのは⑥南斉書まで。未公開分については⑦梁書は現代語訳がすべて終わっているが注ができていない。⑧魏書も半分以上は現代語訳が終了している。どちらも2023年5月頃まで作業している。うーん。⑨周書も序文と高麗はすべて訳しており、序文の注はすべて完備。高麗の注が途中で止まっている状態である。ちなみに三国史記と同様、今回も注で更新を投げている。これは改めた方がいいと感じるなあ。それと全訳と一部訳とは別に新たに撰集のコーナーを用意してこれを移動する予定。

大越史記全書
 外紀一巻が公開中。ちなみにこれも実は外紀2巻の武帝紀は2023年時点でとっくに訳しているので更新はできるはずなのだけど、これも注で投げている。ああ……。

易経
 これは全訳自体をする気がイマイチ欠けている。公開しているのは天地否のみ。火山旅が既訳でホームページ未公開。過去にTwitterで上げたことがあって本文は保管されているんだけど、アカウントを消したため序文の一部が紛失している。まあすぐに訳し直せるけども。これは全訳するか自体が不明なので当面はキニシナイ(・A・)

孝経
 正月休みを利用して一昨年から昨年にかけての年末年始に一気に全訳した。ただ、これは余記が主でなんとなく進んでいない。先に訳文だけ公開するのもアリかどうしようか。

潜夫論
 漢籍の翻訳を始めた動機のひとつにこれを読みたいというのがあったのだけど、読んでみるとイマイチだと感じるようになってモチベが下がっている。序文に代えての後漢書王充伝と後漢三賢王符讃、そして巻一の讃学第一まで公開中。未公開分だと務本第二はすべて訳しているけど余記がまだ書けていなくて更新していない。訳していた時の感覚とか忘れていて書きかけの余記の内容もイマイチだと感じているのでさっさと書き直して上げた方がいいのだろう。未訳部分を新たに訳すような興味はイマイチ削がれている……。

遊心安楽道
 公開中なのは序文と第一のみ。これは正真正銘の訳したところまでの公開である。少しだけ第二の冒頭を書き下しているけども、それだけ。これは注を付けていないので訳したらすぐに更新できるため、未公開分が存在していない。いやあ、改めて注とか余記は鬼門だなあ。遊心安楽道は個人的に早く訳したい気持ちもあるのだけど、優先順位は高くないカンジ。

共産党宣言
 公開中なのは序文と①と銘した冒頭のみ。これ実は当初の想定より本文が長いことに気付いて後から分割することを考えた形なので、いくつにわかれるのかまだ自分でもわかっていない。ちなみに堺・幸徳版でいう「東洋を西洋に從屬させた」まで訳しているので、たぶんだいたい半分に達しないくらいまでの進行具合。小品のつもりが思ったより時間がかかっている……。5月から放置。

女子解放問題
 序文に該当する部分のみを公開中。訳しはじめて気づいたけど、これも論文としては結構長いので、共産党宣言と同様に分割して掲載することにした。序文部分を含めて七つの段落に分かれているので、とりあえずそれに準じて訳す予定。第三段落まで訳しており、注は第二段落まで付しているため、そこまではすぐに公開できる。4月から放置。

贈侯官林宗素女士
鞏金甌
国民革命歌
義勇軍進行曲
 全訳している……とはいえ一篇の短い漢詩や歌詞なので当然である。このあたりは全訳にひとつひとつ入れるのも変なので、これも新設する撰集コーナーに移動予定。

中華民国憲法
 これも出オチ感がある。百七十五条中十条まで書き下し、八条の途中まで訳した。モチベない。

 ……という現状整理である。とりあえず注を後回しにしてでも三国史記の既に訳した未公開部分をさっさと更新した方がいい気がしている。続いて中国史書における古代朝鮮と周辺国の記述、大越史記全書の既訳。論語注疏は完成を最優先にしつつも他の漢籍のストックの掲載をもっと優先することにしようと思う。ストックと呼ぶにはもう時間を置きすぎ。書き下し文を読んでいるとうわー、昔こんなカンジだったんだー、ってなる。

 長くなったので既に訳に着手しながらホームページにコーナーすら設けていない漢籍については次回に整理する。

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