焚巣館 -聖経 創世記 第七章 水溢於地 水ハ地に溢ル-
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本日の更新。ついに大地に水があふれて生物が剪滅される。これはちょっとしたスペクタクルですよ。ちょっとしてないか。聖書の中でも最大級の災厄である。
ここで地上のすべてが一旦リセットされる。ということは、これまでの物語において登場した諸々からもリセットされた要素があるはずである。まず、エデンについて確認してみよう。ふりかえってみると第二章には次のような描写があった。
10埃田 には、園に流れ入り、灌溉にも資する河があり、中では四つの支流と分かれていた。
11ひとつは比遜 といい、哈腓拉 に濯いで廻っている。その地は金を産出する。
12その金は最も精粋で、また珍しい宝玉である碧玉 を産出する。
13ふたつめは其訓 といい、古實 を囲んで流れていた。
14三つめは希底結 といい、亞述 の東に流れる。四つめは百辣 という。
そう、聖書におけるエデンは天上世界だとか異次元だとかに存在しているとは明記されていない。むしろ
24こうして彼らを放逐して追い出すと、埃田 の園の東に[口氷] を置いて焔 の剣を与え、指揮は何も定めなかった。このようにして生命の樹への道を防ぎとめることにしたのである。
ということは、第三章で思わせぶりに登場した智天使ケルビムも炎の剣や生命の樹と共に流されている。や、さすがに洪水の前に避難していると思うけど、素直に読めば、少なくとも生命の樹は水没しているのではないだろうか。ケルビムは終盤で再登場するボスになると思っていたのに……。
どうでもいい話だけど、俺は生来の邪気眼なので小学生の時には既に天使九位階を英名と漢名の両方で暗誦できるようになっていた。なんという記憶力の無駄遣いだ。影響を受けたのは『女神転生』『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』等など、当時をふりかえってみると小学生で触れるような作品か? と思うようなアレであるが、週刊少年ジャンプで連載していたりとか、スーパーファミコンのゲームであったり、小学生の触れてよいものであったはずである。今現在、聖書の訳なんぞに乗り出しとるのもその延長線である。
16
該隠 は耶和華 から追放されて流離し、埃田 の東の挪得 の地に向かってそこに住むことになった。
17該隠 と妻は寝室をともにし、懐妊して息子を生んだ。以諾 と命名したのは、その時に城垣を建てていたことから、息子の名はそこから呼称したものである。
18以諾 は以臘 を生み、以臘 は米戸雅利 を生み、米戸雅利 は馬土撒利 を生み、馬土撒利 は拉麦 を生んだ。
19拉麦は妻を二人めとった。ひとりの名は亞大 、もうひとりの名は洗拉 、
20亞大 は雅八 を生み、幕 に住んで牧畜をする者の先祖となった。
21次に猶八 を生み、太鼓や琴、品や簫といった楽器演奏者の先祖となった。
22洗拉 は土八該隠 を生み、銅や鉄の工芸師となり、娘を生んで拿馬 と名付けた。
23拉麦 は妻の亞大 と洗拉 に言った。「拉麦 の婦人よ、必ず我が声を聞き、必ず我が言葉に従え。私は我が人を殺して自らをも傷つこう。童子を戮して自らも傷つこう。
24該隠 を殺して必ず七倍の罰を受けるのならば、拉麦 を殺せばその者の受ける罰は七十七倍とならぬことがあろうか?」○
また、このようにカインと子孫についても第四章に長々と記されており、なんだか民族や職業の起源譚のような記述も付されているが、これらもすべて流されているはずである。あーあ、なんだったんだよ、この話。
ちなみに、母方からカインの血筋が入っていてもおかしくないんじゃないかな、とか想像したんだけど、どうやら主流派キリスト教神学においてそれは異端の考えらしい。へーって感じ。他にもエデンの所在についても、すげー高い山の上にあって無事だった説とか、洪水前に天上へ移送された説とか、洪水で完全に破壊されて実はユーフラテス川などの地名も現在のものは後からエデンの川から勝手に名前をいただいた説とか、諸説さまざまである。
重い歴史の積み重ねのあるキリスト教神学であるから、これらの問題についても先人が既にさまざまな解釈をおこなっている。紐解くと面白いのだろうけど、漢籍だけで今の俺にはいっぱいっぱいである。
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